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生真面目、ってイヤだねえ

日本人にとって「真面目」というのはかなり重要な美徳だが、これは度が過ぎると「生真面目」ってことで敬遠される。モルモン教の総本山、ユタ州ソルトレークシティーにも生真面目な輩が増えているようだ。

15日付朝日夕刊によると市の航空局の条例は小型機の最低高度を2000フィートとしているが、次の条項で「クリスマスイブにトナカイの引く荷物だけは例外とする」と定めている。85年に盛り込まれた条項だそうだ。そしてこのほど航空局は「こうした項目があると規則自体がいい加減に受け取られる恐れがあるため、修正する」ことを委員会で可決、市議会へ送ったことが議論を呼んでいる。

いやはや、85年当時のソルトレークシティーはなんともシャレた条文を作ったものだが、これをわざわざ削除しようとする「生真面目さ」にはまったく閉口する。このような正論を吐いてご本人はご満悦、しかし周囲はすっかり息苦しくなっちゃう、こんな鬱陶しい奴が結構多いと思いませんか?
# by haloon | 2004-09-16 16:08 | 本日のお題

やりきれない気持ちで・・・

あまりに素早い宅間守の死刑執行、第一報が伝わったきのう午前には社内からも驚きの声があがった。どうしてこんな男が現れてしまったのか、事件は防げなかったのか、なぜ最期まで謝罪がないのか、遺族が抱いているなんともやりきれない気持ちをあらためて思う。

死刑廃止論議が盛んだが、法務省のこの素早い死刑執行はそれに対するひとつの回答だろう。刑事訴訟法は死刑判決が確定した場合は6ヶ月以内に執行するように定めているので、これでも遅すぎるわけだ。うちの部の中堅記者は「死刑執行のニュースで『あ、あの事件か』って思い出すことができたのは初めてだ。これまでは古い事件ばかりでピンと来なかった」そうだ。

死刑廃止論議は間口が広く、「国家がこんな残虐なことをやるのは許せない」という感情論としか思えないレベルのものもある。あるいは「死刑の代わりに終身刑を」という主張もあり、15日付毎日によると、死刑廃止議連の事務局長の山花郁夫議員は「死刑確定から時間が経過することで、死刑囚から謝罪を引き出すこともあるが、その機会を断った執行が本当にいいのか、ひとつの議論の材料になる」としている。しかし謝罪という行為は法で規定するものではない。法によって被告の死刑判決が確定し、法が規定している死刑執行だ。将来の立法へ向けた議論は構わないが、謝罪についてまで議員がうんぬんするのはおかしい。「せめて謝罪の言葉を聞きたかった」という遺族の気持ちは理解できるが、それを「謝罪の可能性があるから死刑廃止、終身刑へ」とするのであれば、あまりに短絡すぎないか。

懲役は身柄を拘束すること自体が「懲らしめ」だから、受刑囚は刑務所で使役に従事する。その一方で死刑囚の「懲らしめ」は死刑執行の瞬間だから、それまでは(刑務所ではなく)拘置所に収監される。帝銀毒殺事件の平沢貞通の場合、死刑の執行を避けた法務省はあきらかに平沢の自然死を「待っていた」。(平沢当時の刑訴法は知らないが)執行までを6ヶ月と規定しているのに、結果として何十年も平沢を養ったその「費用」をどう見るのか。宅間の場合も同じだ。あれだけの身勝手な犯行を犯した男を公費で一生養うことが社会として必要なのか。

ちょっと前までは磔して獄門、なんていうのを公開していた国だ。「仕置き人」などの悪人を懲らしめるドラマは大ウケしている。犯罪の抑止力、あるいは償いとしての死刑を必要だと率直に感じている市民は多いと思う。
# by haloon | 2004-09-15 21:37 | 本日のお題

「要請を受ければ国のために戦うか」

「渋る兵士に突撃を命じる方法」というジョークがある。イギリス人には「女王陛下が命令している!」と言え。イタリア人には「あの茂みの中にはいい女がいるぞ!」と言え。そうすれば兵士は喜んで突撃する。ジョークではあと数カ国を取り上げていた気がするが、忘れた。

14日付読売国際面のベタ記事が「英国民の8割『国のために戦う』」との見出しでイギリスの高級紙タイムズの記事を紹介している。それによればタイムズが18歳から30歳までのイギリス人に「要請を受ければ国のために戦うか」と聞いたところ、「無条件で戦う」が22%、「戦う理由に納得すれば戦う」の条件派が57%だった。読売の見出しはこの2つの数字を合計して「8割が戦う」となったのだろう(ちなみに「いかなる条件でも戦うことを拒否」は19%だった)。ところが当該記事をタイムズのネットで見ると、冒頭の一節が「イギリスはもはや武器を取って女王陛下や国のために無条件で命を捧げる人々の国ではなくなりつつある」となっていて、おやおやこちらはいきなりの詠嘆調、読売から受ける勇ましい印象とは大分違っているのだ。もちろんこの結果には戦争突入の大義が揺らいだ今回のイラク戦争の影響が大きいし、タイムズもそれを炙り出したいのだ。

その一方で読売新聞はこの記事を紹介することで問いかけている。「日本人よ、あなたたちならどうするか?」

第二次世界大戦の日本国家は「天皇陛下万歳」という共同幻想の元に命を投げ打つことを国民に要請した。そしてそれが崩壊、それでは現在の日本人には何があるのだろうか?「日本のために戦う」と明白に宣言することに抵抗を感じる日本人は多いはずだ。戦後世代の我々はそういう教育を受けてきた。

改めて自分に問いかける。「誰のために戦う覚悟があるか」。どこかで聞いた歌詞のようで気恥ずかしい気もするが「愛する者のために戦う」というのがやはり素直な回答だ。そして私も、私が愛する者たちも、みんな日本に生まれて、日本人として生きてゆく。
# by haloon | 2004-09-14 23:10 | 本日のお題

感謝と礼節をもって・・・

現代社会の最先端では不要なものがどんどん捨てられてゆくようだが、このニュースにはちょっと驚いた。リクルートの調査によると結婚で仲人を立てたカップルは4.6%で、特に首都圏ではわずか1.0%だった、という。なんとなく減っているだろうとは思ったが、もはや絶滅寸前、レッドデータアニマルだったのだ。見かけたら保護するべき?

リクルートは「以前は上司に仲人を頼むのが一般的だったが、終身雇用が崩れ、急速に減っている」と分析していて、まさにその通りなのだろうが、私はちょっと残念だな。10年前に結婚した私の場合は、会社のとっても偉い人(故人)にお願いしたのだが、このお宅と学生時代の恩師(これも故人)のお宅には今でもお中元とお歳暮を出させてもらい、そのたびに奥様と近況を報告しあっている。年賀状のやりとりだけではなく、こんな形でお互いがお互いのことを忘れないようにしているのはとても気持ちがいいことである。

このようなやりとりも「古い風習」で、「無駄」に見えてしまうのだろうか?だとすればかなり淋しいことだぞ。
# by haloon | 2004-09-14 13:42 | 本日のお題

まったく危なっかしい

北朝鮮でまた爆発騒ぎだ。例によって北朝鮮は沈黙状態だから詳しいことは分からないし、たとえ「発表」があったとしても真相につながるかどうかは不明、そんな国だ。普通に考えると核実験か事故火災か反政府活動のどれかだろうが、どれであってもあの国がますます危なっかしいことを再認識する。

NHKで伊豆見教授も言っていたが、核実験の可能性は低いだろう。今は次の6カ国協議開催をめぐる駆け引きが続いているが、その程度のネタで切り札のひとつである「核実験カード」を切るのは不自然だ。しかも韓国の極秘核実験が相次いで明るみに出たことで北朝鮮は相対的に有利な立場になっていること、アメリカ大統領選まで2ヶ月を切ってその結果を見たい北朝鮮は時間稼ぎを狙っていること、つまり自ら積極的に動く場面とは思えない。

4月の龍川の列車爆発は金正日の列車通過直後だったことから、今もテロ説が消えないが、今回も爆発が建国記念日だったことは反政府活動を示唆している気がする。しかし各報道では今のところ、軍事工場の誤爆説が大勢のように見える。

「誤爆ならばとりあえずいい」というわけにもいかない。爆発物・弾薬の管理に緩みがあるとすればそれは軍規の緩みから来ているわけだし、ミサイルにしろ爆弾にしろそうした「危険なおもちゃ」を適切に管理できない国家というのは近隣にとって危険この上ない。歴史を見れば、たとえ意図したものではなくても、偶発的な事故が前面戦争になった例は数多い。「威嚇しようと発射したミサイルが東京に落ちちゃいました」では困るのだ。

核問題について言えば、北朝鮮が核を完全放棄することはありえないと思う。核がなければ北朝鮮は単なるアジアの最貧国のひとつ。アメリカをはじめとする国際社会は見向きもしなくなるし、金正日はそれを十分承知している。

地域社会とアメリカが目指すのはただひとつ、北朝鮮のゆるやかな改革開放、ソフトランディングだ。東ドイツ的統合、あるいはリビアのような融和の例もある。それ以外のオプションはどれも大きな痛みを伴う。そして日本もそこから逃れることはできない。胃が痛くなるような神経戦が続く。

(追記)13日午後に北朝鮮は「水力発電所建設のための発破」と発表したが、真相は不明
# by haloon | 2004-09-13 13:25 | 本日のお題