まったく危なっかしい

北朝鮮でまた爆発騒ぎだ。例によって北朝鮮は沈黙状態だから詳しいことは分からないし、たとえ「発表」があったとしても真相につながるかどうかは不明、そんな国だ。普通に考えると核実験か事故火災か反政府活動のどれかだろうが、どれであってもあの国がますます危なっかしいことを再認識する。

NHKで伊豆見教授も言っていたが、核実験の可能性は低いだろう。今は次の6カ国協議開催をめぐる駆け引きが続いているが、その程度のネタで切り札のひとつである「核実験カード」を切るのは不自然だ。しかも韓国の極秘核実験が相次いで明るみに出たことで北朝鮮は相対的に有利な立場になっていること、アメリカ大統領選まで2ヶ月を切ってその結果を見たい北朝鮮は時間稼ぎを狙っていること、つまり自ら積極的に動く場面とは思えない。

4月の龍川の列車爆発は金正日の列車通過直後だったことから、今もテロ説が消えないが、今回も爆発が建国記念日だったことは反政府活動を示唆している気がする。しかし各報道では今のところ、軍事工場の誤爆説が大勢のように見える。

「誤爆ならばとりあえずいい」というわけにもいかない。爆発物・弾薬の管理に緩みがあるとすればそれは軍規の緩みから来ているわけだし、ミサイルにしろ爆弾にしろそうした「危険なおもちゃ」を適切に管理できない国家というのは近隣にとって危険この上ない。歴史を見れば、たとえ意図したものではなくても、偶発的な事故が前面戦争になった例は数多い。「威嚇しようと発射したミサイルが東京に落ちちゃいました」では困るのだ。

核問題について言えば、北朝鮮が核を完全放棄することはありえないと思う。核がなければ北朝鮮は単なるアジアの最貧国のひとつ。アメリカをはじめとする国際社会は見向きもしなくなるし、金正日はそれを十分承知している。

地域社会とアメリカが目指すのはただひとつ、北朝鮮のゆるやかな改革開放、ソフトランディングだ。東ドイツ的統合、あるいはリビアのような融和の例もある。それ以外のオプションはどれも大きな痛みを伴う。そして日本もそこから逃れることはできない。胃が痛くなるような神経戦が続く。

(追記)13日午後に北朝鮮は「水力発電所建設のための発破」と発表したが、真相は不明
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# by haloon | 2004-09-13 13:25 | 本日のお題

愚民どもよ!

小谷野敦「すばらしき愚民社会」(新潮社)は素晴らしく毒のある傑作で、目からウロコはボロボロ落ちる、胸のつかえはたちまちスカッと解消、である。帯からして挑発的だ。「バカが意見する世の中」。

例として引用する。小谷野氏は東大教養学部の図書館で東大生が「ハリー・ポッター」をリクエストしているのを発見、唖然とする。「なにも東大生が『ハリポタ』を読んではいけないというのではないし、図書館に置いてあったので借りて読んだ、というのでも、いい。しかし、リクエストするなよ」

さらにある地方の図書館では「ハリポタ」が所蔵20数冊、待ちが二百数十人とあって「いかに不況とはいえ、二千円から三千円の本を本当に貧しくて買えなくて待っている市民がそんなにいるとは思えない。『ハリポタ』20数冊揃える公費で、学術書がいくらも買えるではないか。その辺の本屋で売っているものを図書館で待つな、愚民ども(どうせ学生なら携帯の通話料は平気でたくさん払っているのだ)。『娯楽』は身銭を切ってするものだ」

「大学生がバカになったという議論それ自体は20年前にもあったものだ。大学生がバカになったのではなく、バカも大学へ来るようになった、というのがとりあえず正しい」

こんな調子だ。

私のブログの芸風は「建て前」で固められたマスコミ文脈から外れた別の視点を提供することを目指していて、その作業は私にとって非常に楽しい。これはあくまでも所属する会社とは切り離された個人的な行為なので、匿名で出す選択をしている。さらに白状すれば、この本について「スカッとする」と書き込むのにもちょっと勇気がいった。この抵抗感はメディア勤務によって染み付いている「バランス感覚」という名の自己規制かもしれない。やはり私はブログでの匿名はやめられないようだ。

一方、小谷野氏は本名でここまで書きまくっている。私にはそこまでの勇気や自負はない。肝が据わった学者さんにはやっぱり敵わないや。

まあ私は焦らずボチボチ続けていこう。
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# by haloon | 2004-09-11 20:47 | 読むこと、書くこと

傲慢な盲目と追従の盲目~911を迎えて

今年も9月11日がやってきた。先ごろまとまったいわゆる「911委員会報告書」はアメリカではペーパーバックスタイルで出版されていて、ハワイ・ホノルル空港の小さな売店にも並んでいた。原書で読むには何年もかかるから買わなかったが、9日付朝日の船橋洋一氏コラムによると「状況の再現力の的確さと読みやすさも含め、報告書は調査報道の金字塔である。ピュリッツァー賞ものだ」ということだ。翻訳されるのだろうか。

この船橋氏のコラムは全文を紹介したいほどの傑作。ここで読めるので、是非。

報告書にはこんなくだりがあるそうだ。「われわれにとってはアフガニスタンはとてもとても遠いところのように思えた。しかし、アルカイダは米国をごくごく近いものととらえていた。ある意味では、彼らはわれわれよりはるかにグローバル化していた」

テロはそれを起こした者が絶対的に糾弾されるべきだ。しかしアメリカは911事件によって、その「傲慢さからくる無意識の盲目さ」を報告書にまとめることができた。それだけのまともさを持っていたことの証明に見える。では日本はどうか。アメリカ追従一本やり、とりあえずアメリカさんについて行けばほかには何も考えなくていい、そんな「追従による盲目さ」に陥っていないか。傲慢ではないかもしれないが、そこには「積極的な意思」が働いているだけに、無意識の盲目さよりもさらに性質(たち)が悪い。

今回は船橋コラムの出来が悪い同工異曲に陥りました。
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# by haloon | 2004-09-11 13:28 | 本日のお題

助詞の違いはスタンスの違いを象徴するか

9日付朝日「天声人語」の一節から。「水上(勉)さんから直接取材したことはないが、かなり以前に・・・(以下略)」この助詞の使い方でハッとさせられた。私の中では「水上さん『に』取材する」という用法が普通で、『から』取材するという使い方の選択肢はないからだ。

「取材する」という動詞に変化がないので文法的に大きな変化が起きているのではないと思うが、ここには取材者(記者)のスタンスや世代の違いが垣間見える。「取材」という単語は「材を取る」が語源だろうから、インタビューで「材をいただく」場合は起点を示す「から」が適当なのか。一方で「火事の現場を取材する」の場合は「現場から取材する」といわない。つまり現象・モノの取材と人の取材では助詞を使い分けていることになり、私の世代はこうした丁寧さを失っているのかもしれない。

英語のインタビューでも助詞を間違えやすい。「インタビューをする」はhave an interview with Mr. Bushとなって、決してinterview of Mr. Bushではない。ここの感覚も日本語の「から」「に」の問題に似ている。
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# by haloon | 2004-09-10 11:12 | 本日のお題

その知恵と労力を・・・

「ラクにひと儲けしたい」と犯罪に走る輩にこんなことを言うむなしさは十分わかっているが、それでも「その知恵と労力を他に生かせよー」と思うことが多い。「おれおれ詐欺」などはその典型で、本日付読売(夕刊)によると7月の被害件数は1339件(既遂は957件)、被害額は19億3000万円で、ともに過去最悪になったという。しかも「だませると踏むと、同じ高齢者を何度も狙う」というのはあまりに卑劣ではないか。

メディアもかなりの頻度で注意を呼びかけていて、巷間の話題にもなっている。それでもまだひっかかる人がいるのは、それだけ手口が巧妙になっている証左だろう。家族を装って泣くだけの役目と、被害者にスゴむ役目が分かれている手口。警察官を装って「示談金」を振り込ませる手口。人間の心理的弱点をよく研究しているのだ。カネを振り込ませる仮名の銀行口座を扱うブラックマーケットもあるらしい。つまり、まったくのおバカではできない犯罪だ。問題は打率の低さか。「手当たり次第に電話をして1000人にひとりでもひっかかれば御の字」くらいだろうが、1件あたりの平均被害額は202万円というから、当たればデカい。この手軽さと当てた時の快感があいまって、ギャンブル感覚でやっているのか。「こりゃあ地道に働く気になれないや」というところは共通しているな。それにしてもこうした電話がかかってきた、という話をついぞ聞かないのはどうしてなのだろう。

実家の母親は意気軒昂な人で、「あんなものに何でひっかかるのか、信じられない!」と豪語してはばからない。こうした自信過剰タイプがかえって危ない気がする。
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# by haloon | 2004-09-08 21:45 | 本日のお題

「江戸城を作ったのは?」「大工です!」

それでは、「台風の直撃を受ける厳島神社で灯ろうを守るのは?」「宮大工です」「ハズレ!神主さんです」本日付日経社会面の台風記事の写真には、遠くに鳥居がかすむ暴風雨の中、ヘルメットに作業服姿の2人組が写っている。写真キャプションによると「台風18号の暴風雨の中、厳島神社平舞台先端の灯ろうを点検する神主」なんだそうだ。違和感があるのは、神主さんがいつものビラビラの付いた黒い帽子やデカい杓子を持つ「古文教科書のイラストのスタイル」をかなぐり捨てているからだろう。考えてみればあのスタイルは儀式用なわけで、神主さんがいつもああいう格好をしているわけではないのだね。

厳島神社といえば観光の目玉であり、最近の枕詞は「世界遺産」ということになるが、神主さんにすればそこはやはり宗教施設、灯ろうという物体にどれだけの意味合いがあるのかは知らないが、作業員まかせにしないでこれを守ろうとする宗教家としての意思を感じる写真だった。
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# by haloon | 2004-09-08 15:32 | 本日のお題

「終わりの始まり」になるのか

巨人戦視聴率の大不振が示すように、日本のプロ野球は「ジリ貧」の一途だ。「ジリ貧」だからイチローなど有力選手が見限って大リーグへ「流出」する。よってますます観客や視聴者に見られなくなる。この悪循環を断ち切るすべは簡単には見つからない。そんなことは十分わかっている中でプロ野球選手会がストライキ決行を決断した。このままでは突入する可能性が高い。ファンや選手を無視したオーナー会議のやり口に非難が集中しているだけに、国民には「ストもやむなし」との声が多いようだし、それが分かっているからこその決断だろう。しかしこのストライキがもたらすものは、「合併の是非」といった争点を超えるかもしれない。

そもそも1日わずか6試合のプロ野球を週末にやらなくても、それを見なくても、人間は生きてゆける。「なーんだ、なければないで、テレビやビデオをみればいいや」ということに気がつくだけである。幕張に近いディズニーランドは、客がちょっぴり増えることを期待するのか。大リーグについてはイチローや松井の成績ばかりがハデに伝わってくるだけで全体のことを知らなかったが、94年の長期スト後は試合平均観客数が20%も落ち込み、回復するまでに10年かかった、という(本日付毎日)。10年かかっても回復しただけまだマシか。

50年後に振り返った時、「あれが終わりの始まりだった」なんてことにならないといいが。それとも50年後の日本人は「やっぱり、なければないでちっとも構わないや」と思うのだろうか。
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# by haloon | 2004-09-07 08:38 | 本日のお題

(ダイエット)水泳教室にて

5日に「初級クロール講習」の第一回に参加しました。メンバーはおばちゃん3人、20代?の男性1人と私の合計5人。

いきなりウォームアップとしてバタ足やナナメになりながらのバタ足などを何本も繰り返すのでおばちゃんたち(平均推定年齢50歳)はすぐにバテていました。ひとりでケロっとしているのも悪いかと思って、ゼイゼイしているおばちゃんのひとりに「疲れますねえ!」と声をかけたら、このおばちゃんはすかさずインストラクターに「このおじさんも疲れてます!」って宣言しちゃって、おいおいいきなり人のことをおじさんと呼ぶな!確かにおじさんだけど、あなたよりは10歳は若いぞ。「この人」でいいではないか。

この日は「バタ足」と「スカーリングという手の掻き方」(和船の櫂の動き)を中心にやりました。ひとりで泳ぐ時は、こうした練習メニューはかったるいのと恥かしいので、どうしてもおろそかになりがち。でもスカーリングのあとのクロールでは水を掴む感覚が違っていました。

インストラクターさん(バタフライ銅メダルの中西に似ている)はすぐに私の左手の掻きとバタ足の欠点を看破、「haloonさんは速くなりますよ!」と励ましてくれました。がんばろう!
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# by haloon | 2004-09-07 06:43 | ダイエット