カテゴリ:本日のお題( 70 )

少子化とリストラが野球文化にのしかかる

自宅近くの公園の一画に野球場があり、子供チームの練習や大人が草野球に興じているのを見かける。もしかすると隣接する企業のグラウンドなのかもしれない。すっかり野球熱が冷めている私でも、あのグラウンドやスコアボードを見るのはなんとなくワクワクするもので、ユニフォーム姿を見かけたときはつい足を止める。プレーをしていない時には地ならしをしたり水を撒いたりする人もいて、グラウンド維持には手間がかかっているようだ。

将来、野球をプレーしたり観戦するのは子供たちの世代だ。彼らのあいだで野球はどう位置付けられているのだろうか。以前も書いたがウチの長男のクラスでは男子の将来の夢の8割がサッカー選手で、プロ野球選手はひとりもいなかった。当然ながらこうした危機感はスポーツ用品メーカーに顕著で、本日付日経によると、ミズノは「企業のリストラが進んで、草野球の習慣がなくなった」と嘆いているそうだ。確かに、あまり盛り上がらない実業団チームを持っていることや、「活用されないでブラブラしている」どころか、グラウンド整備の維持費までかかる広大な土地は無駄なコストに見える。「グラウンドをつぶして駐車場にしちゃった方が日銭が入る」というわけだ。「リストラ」という言葉は社員のクビ切りだけを意味するような風潮だが、語源はリストラクチャ、本来の意味は「再構築」だ。構造的な無駄を見直して事業を再構築するという意味では、まさに企業の野球文化はリストラの嵐にさらされている。

しかし、日経の記事によると少年野球リーグへの参加人数はかえって増えているし、高校の硬式野球部員は3年連続で過去最高を更新中だという。今の少子化社会にあってこの実績は驚くべき事だ。そしてゼットの北海道地区の売り上げは去年より1割もアップした。日ハムがフランチャイズになった影響だろう。

巨人の全国的な一極集中人気は明らかに崩壊したが、日ハムの北海道移転はとりあえず成功した。このふたつの事象は決して独立して偶然に発生したものではない。そして新規球団参入が期待される東北は盛り上がっている。少子化とリストラの危機の中、日本の野球文化は大きく変わろうしているのかもしれない。
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by haloon | 2004-10-07 22:07 | 本日のお題

歌を忘れたカナリアは・・・

儲かっているのだから、それはとにかくめでたいことである。ジャスコを運営するイオンの今年中間期の連結決算は純利益が過去最高になった(本日付日経)。そごうが民事再生法適用となり、ダイエーも話題になるのは再生機構と球団合併ばかりの今、小売業で元気があるのはイオンとヨーカ堂くらいか。しかし決算内容を見ると「主力の総合スーパーは苦戦したが、(中略)クレジットカードや不動産開発など子会社の収益拡大で本業の不振を吸収した」(日経)ということで、小売業の構造的不振に歯止めがかかったわけではないようだ。

現代ビジネスでは各方面への事業展開は当たり前、それに目を向けない方がおかしい。しかし、こうした新規事業が本業の利益を補うまでになると、社内での力関係も微妙に変わってくるだろうし、社員の意識も変わるだろう。そごうが民事再生法申請に至った際にも「急激な店舗展開で、そごうはまるで不動産管理会社のようだった。売り場をテナントに切り売りするばかりで、小売業としてのノウハウがなくなった」との指摘があった。その一方でアメリカのGE(ゼネラル・エレクトリック)の多角化成功の例もある。私が子供の頃にはGEといえば憧れの家電の代名詞だったようだが、いまあの会社を単なる電気メーカーととらえる人はいない。

要するに問題は企業マインドなのかもしれない。「多角化」を明確に意識して社の風土を変えてゆくのか、それとも「副業にうつつをぬかす」のか。過去の成功体験にしがみついていると、この意識変革に遅れが出る。これは企業だけではなく、国や個人でも同じことだろう。
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by haloon | 2004-10-06 12:11 | 本日のお題

不気味な足音

最近派手な記事になってはいないが、この冬は東南アジアの鳥インフルエンザが不気味で、要警戒かもしれない。タイでは7月から3人目の死者が出たし、なによりもヒトからヒトへ感染した疑い例が出ているのが恐ろしい。

専門ではないのであっさりと書くしかないが、従来のインフルエンザもトリやブタの体内で突然変異をすることによってヒトに感染するタイプになることが分かっており、万が一鳥インフルエンザがまったく新しいタイプに変異をすると、免疫がないだけに猛烈な被害が出る可能性がある、という。特に体力がない子ども・お年寄り・病人は要注意だ。

2年前に大騒ぎになって中華圏の経済にも打撃を与えた新型肺炎SARSの例が示すように、大量の人間や商品(この場合は家畜肉)が国境を越えて行き来する現代では、ウィルスの感染ルートも多岐に渡るし、水際の対策を強化するとしても限界がある。SARSだって冬になればいつまた再発しないとも限らない。敵は目に見えないだけに不気味だ。マスコミは派手な報道合戦をする必要はないが、正確な知識を広めることが必要だと思う。自戒をこめて。
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by haloon | 2004-10-05 14:20 | 本日のお題

「羊」と「治安」は無関係だった

仕事やプライベートで様々な国へ行く機会があったが、「ああ、また来たいな。いや、いっそのこと住んでみたいな」と思わせる国は少ない。ニュージーランドはそうした国のひとつで、特に南島は森と湖が広がる中に数え切れないほどの羊がのんびりと放牧されていて、「風光明媚」という言葉はここのためにあるような気がしたものだ。その南島の中心都市クライストチャーチで先月末日本人留学生の変死体が見つかり、所持品を盗んだ疑いで10代の少年2人が逮捕された。遺体には外傷があったというから、強盗目的で殺された可能性が高いだろう。4月から10月までの語学留学だったということで、家族の悲嘆ははかりしれない。

「あの南島でまさかそんな事件が?」と思ってしまうのだが、もちろんそれはニュージーランドの風光明媚さを拡大解釈、「こんなにきれいなところなら治安だっていいだろう」と勝手に思い込んでいるだけで、世界中どこにだって犯罪者はいるし、犯罪被害にあう可能性はある。

たとえばこれがシカゴのダウンタウンだったりブラジル・リオデジャネイロでの事件だとすれば、こうした都市の犯罪遭遇率データを参照することもせずに、「やっぱり治安が悪いんだな」とつい納得させられてしまう。治安に関する都市のイメージというものは確かにあるし、それは映画やニュースといったメディアから受ける印象でほとんど決まってしまうものだが、当の町にしてみるとたまったものではない。だから観光が主要な産業になっている国(都市)での邦人被害犯罪の取材は難航するのが常だ。

「ある国に3日いるとその国が分かったような気がする。3週間いると分からなくなる。3年いると分かったような気になっていたことが恥ずかしくなる」という。観光や短い出張でフレンドリーなホテルの受付嬢と言葉を交わし、羊を大量に見る、それだけでその国のすべてを判断してはいけない。
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by haloon | 2004-10-03 08:46 | 本日のお題

世界最大の産油国を・・・

30日付日経夕刊から。サウジアラビアのイスラム教最高権威はカメラ付き携帯の国内での使用を認めない宗教判断を下した、という。記事によると「手軽に写真が取れるカメラ付き携帯は女性の姿の撮影につながるため『風紀を乱す』としているらしい。これだけ携帯が広く普及し、さらにどの機種にも当たり前のようにカメラ機能がついている日本から見ると信じられないようなことになっているのである。

世界中のいわゆる「イスラム教国」でもその厳格さには濃淡があり、聖地メッカを抱えるサウジアラビアはもちろん最高に厳格な国の代表格だ。かつてマクドナルドがサッカーのワールドカップの際に出場国の国旗を紙コップに描きこんだら、国際問題になったこともあった。サウジアラビアの国旗には聖典「コーラン」の一節が書き込まれているため、「使い捨てが前提となっているコップにコーランの一節を使うのはケシカラン」というわけだ。

こうしたエピソードから見えてくるサウジアラビアという国の成り立ちは日本人の感覚からはあまりにかけ離れている。絶対的な権力を持つ王室が内閣を任命するという政治制度はやはり民主的とはいえないし、王族が富を独占するという構図もあって、貧しい若者の間でイスラム原理主義がさらに台頭する恐れもあるという。

代替エネルギーへの取り組みは遅々とした進行ぶりで、世界的経済が石油に依存する体質はまだしばらく続く。世界最大の産油国の国のありようを、カメラ付き携帯禁止にビックリしているレベルではなく、さらに詳しく知っておくべきだろうと自戒する。
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by haloon | 2004-10-02 13:20 | 本日のお題

国産モノだと思い込んでいました

「思い込み」というのは恐ろしいもので、間違った情報でもひとたび刷り込まれてしまうと疑うことをしなくなることがある。本日付日経「木炭ストップ?」記事で初めて認識したが、焼き鳥屋などで使っている「備長炭」の国内需要の8割は中国産なのだという。名前の印象から国産のものだけを「備長炭」と呼ぶと思い込んでいた。さらに「備長炭」の名前の由来をネットで調べてみたら、江戸時代に紀州の城下町で炭問屋をやっていた備中屋長左衛門から来ているということで、なるほど旧国名に「備前」「備中」「備後」はあるが、「備長」というのはない。これも調べてみないと分からなかった。

日経によると中国政府は「木炭輸出の急増で森林の乱伐が進んでいるため」来月から木炭の輸出を全面的に禁止する方針なのだそうだ。販売業者は国産やマレーシア産輸入拡大を検討するらしいが、中国産よりは割高とか。

炉辺焼きなどの店のカウンターで真っ赤に燃える炭が肉や野菜を焼くのを眺めるのは楽しいものだ。子供の時からガスの火しか使ってこなかった私の世代も郷愁にかられる。なによりもガスが通っている家庭がわざわざ備長炭を買ってきて調理に使うような手間はなかなかかけないだろう。中国産木炭の禁輸がこうしたプチ贅沢の楽しみを遠ざけることにならないように願う。
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by haloon | 2004-09-29 17:44 | 本日のお題

恐るべき宣伝効果

調査会社のネットレイティングスによると、8月のライブドアのウェブサイトの利用者は、6月に比べて2.1倍になったという(本日付日経)。記事は「同調査会社は野球の件も知名度向上、利用増の一因と見ている」というが、普通に考えればそれが最大の理由でしょう、やっぱり。具体的データはないが、現在のライブドアの知名度の大半はこの騒動をきっかけにしているのではないか。いまではいっぱしにブロガーのひとりになっている私も、恥ずかしながら今回の騒動まではライブドアを知りませんでした(楽天は知っていましたが)。「僕も知らないような人が」って言っていた(前)尊大オーナーさんと一緒ですな。

27日のプロ野球実行委員会では、楽天とライブドア以外にも1社から加盟申請があったが「申請内容に真剣さが認められない」ことから、『売名行為』と判断されて却下された、という(本日付毎日運動面)。具体的にどうした点から「真剣でない」と判断されたのかは分からないが、ライブドアの申請書は厚さが10センチくらいにもなるものだったというから、審査するまでもなく一目でわかるようないい加減なものだったのだろうな。これをやったトホホな会社の名前は広く公開して「他山の石」とする方がいいのか、それでは売名行為の思う壺だからこのように冷たく無視するのがいいのか。

参入に賭けるライブドアの真剣さを疑うものではないが、これだけの頻度で連日会社の名前が取り上げられたらそのPR効果は数億円単位にもなるだろう。たとえ審査が通らなくてもプラスマイナスで考えれば確実にプラスになっている。もちろんこれは楽天にも言えることで、それにあやかろうという便乗組が出てきても不思議ではない。
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by haloon | 2004-09-28 13:57 | 本日のお題

無責任なのはどっち?

本日付朝日の社会面にあった小さな記事。見出しは「プロ野球界を『無責任社会』」、根来コミッショナーの26日の講演を伝えるものだ。根来氏は「一般社会は損得や法律に沿っているかを考えるが、プロ野球界は感情の社会なんです」「無責任社会」などと語った、という。本当に小さい記事だが、この記事を取り上げることで朝日は提起したいのだろう、「無責任なのはどっち?」

未来の日本人は2004年を「プロ野球騒動とアテネ五輪とイチロー最多安打の年」として思い出す、と推察するほど今年はスポーツ界が注目されたわけだが、近鉄とオリックスの合併話から始まった一連のプロ野球の再編問題ではコミッショナーのあり方も問われたし、根来氏の唐突な辞任表明は「何もせずに放り出した無責任な行為」と見る論調が多かった。

朝日が引用した部分が26日の講演のどのような文脈で出てきたものかは分からなかったし、そもそもプロ野球のコミッショナーというのは実質的には何の権限も与えられていない、いわば「名誉職」と認識されていたようだ。根岸氏がそのつもりで就任したとすれば、今回の騒動については「聞いてないよ!」という往年のダチョウ倶楽部の心境かもしれない。

おそらく根来氏にもそれなりの言い分があると思う。実権を握ったオーナー会議との軋轢などは容易に想像できることだ。また、検察では東京高検検事長まで務めさらに公取委の委員長までやった根来氏がまさか自らの辞意表明が無責任と酷評されていることをご存じないとも思えない。それでもまだプロ野球界を「無責任」と評するのだ、やはり腹に据えかねているものがあるのだろう。

しかしたとえ辞意を表明しているとはいえ、仮にもプロ野球界の最高責任者の地位にある人間が「無責任社会」と言ってのけるとすれば、「しからばその無責任社会を変える役目を担っているのはどなたなのですか」と言いたくなる。
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by haloon | 2004-09-27 19:51 | 本日のお題

ふしだらな性行為を条例で抑えようという生真面目な行為

共同通信によると、22日に開かれた東京都の「青少年の性行動について考える委員会」初会合で、中学卒業までは性交渉をしないよう都条例で規制すべきだとの意見が委員の1人から出された、という。もし「都の条例で規制」ということになると、罰則規定も設けられるのだろうか。

初セックスの適齢期が何歳なのかは知らないし、機能的には中学生でも十分可能であることは誰もが知っている。それを「何歳からであればやってもよろしい」とお上が決めることに違和感があるのだ。こんなものは社会全体のモラルの問題だし、それに伴う責任をどう理解させるかという教育の問題である。個人的には「中学生の幼すぎるセックスはケシカラン」という意見には賛成したい気分だが、「では高校生ならいいのか?」となるとよくわからない。実態として現代の高校生の性交経験率はかなり高いと聞くので、つまり「高校生については現状を追認せざるを得ないから、せめて中学生にはやめさせよう」ということか?「都内の教師らが2002年に実施した調査では、中学3年の性交経験率は男子6・8%、女子8・7%。1999年の調査より男子は1・5ポイント、女子は5・4ポイント増えた」という記事も見つけた。女子では1割に達しようという数字はなるほど衝撃的、教育現場ではそれだけ危機感をもってこの問題を捉えているということなのだろう。

この問題では石原都知事も24日の会見で「条例で禁止するのはいかがなものか」と発言していて、「一定の年齢以下の子供が性交渉をしないように教えることを、保護者らに求める規定」が別の条例に盛り込まれる見通しだという。こちらの方が穏当だ。

冒頭の「考える委員会」のメンバーは12人。このうちのどなたが「規制すべし」論者だったのかは分からない。とっても生真面目な都の委員さまが、現場の危機感と自分でできることを生真面目に考え抜いての意見なのだろうが、やっぱり息苦しい。
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by haloon | 2004-09-25 14:45 | 本日のお題

基礎体力が乏しいと、夏バテは仕方がない

大型小売店の8月の売上高は、百貨店もスーパーも前の年に比べて4%以上落ち込んだ(24日発表)。「五輪効果だ」「猛暑需要だ」という掛け声もあったが、売れたのは日傘・サングラス・DVDレコーダーなど限られた商品だけだそうで、「自宅での五輪テレビ観戦で惣菜やインスタント食品は売れたが、外食産業が不調」というのは面白い。そんなものかなあ、というのが経済分析門外漢の感想だ。

「本格的な景気回復には個人消費の復活が必要」というのは当たり前のように言われることだが、一方で民間企業に勤める人の平均給与は6年連続して減っている(24日発表の国税庁調査)。基礎体力(収入)が落ちているのだから、五輪や暑さといったお祭りで少し元気が出たとしても反動としての「夏バテ」はやってくる。個人的には、今年は夏休みの旅行前にHDD付きDVDを購入、五輪放送を後から楽しんだ。デジタル景気と五輪効果に寄与した形になるが、今は買いたい物がなにもないという「消費の夏バテ」状態だ。「消費、消費って掛け声はあるけど、欲しいものって何もないよね」という同僚の言葉に大きく頷く秋である。
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by haloon | 2004-09-25 13:06 | 本日のお題