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お世話になりました

haloon
# by haloon | 2004-10-09 16:25 | お知らせ

少子化とリストラが野球文化にのしかかる

自宅近くの公園の一画に野球場があり、子供チームの練習や大人が草野球に興じているのを見かける。もしかすると隣接する企業のグラウンドなのかもしれない。すっかり野球熱が冷めている私でも、あのグラウンドやスコアボードを見るのはなんとなくワクワクするもので、ユニフォーム姿を見かけたときはつい足を止める。プレーをしていない時には地ならしをしたり水を撒いたりする人もいて、グラウンド維持には手間がかかっているようだ。

将来、野球をプレーしたり観戦するのは子供たちの世代だ。彼らのあいだで野球はどう位置付けられているのだろうか。以前も書いたがウチの長男のクラスでは男子の将来の夢の8割がサッカー選手で、プロ野球選手はひとりもいなかった。当然ながらこうした危機感はスポーツ用品メーカーに顕著で、本日付日経によると、ミズノは「企業のリストラが進んで、草野球の習慣がなくなった」と嘆いているそうだ。確かに、あまり盛り上がらない実業団チームを持っていることや、「活用されないでブラブラしている」どころか、グラウンド整備の維持費までかかる広大な土地は無駄なコストに見える。「グラウンドをつぶして駐車場にしちゃった方が日銭が入る」というわけだ。「リストラ」という言葉は社員のクビ切りだけを意味するような風潮だが、語源はリストラクチャ、本来の意味は「再構築」だ。構造的な無駄を見直して事業を再構築するという意味では、まさに企業の野球文化はリストラの嵐にさらされている。

しかし、日経の記事によると少年野球リーグへの参加人数はかえって増えているし、高校の硬式野球部員は3年連続で過去最高を更新中だという。今の少子化社会にあってこの実績は驚くべき事だ。そしてゼットの北海道地区の売り上げは去年より1割もアップした。日ハムがフランチャイズになった影響だろう。

巨人の全国的な一極集中人気は明らかに崩壊したが、日ハムの北海道移転はとりあえず成功した。このふたつの事象は決して独立して偶然に発生したものではない。そして新規球団参入が期待される東北は盛り上がっている。少子化とリストラの危機の中、日本の野球文化は大きく変わろうしているのかもしれない。
# by haloon | 2004-10-07 22:07 | 本日のお題

歌を忘れたカナリアは・・・

儲かっているのだから、それはとにかくめでたいことである。ジャスコを運営するイオンの今年中間期の連結決算は純利益が過去最高になった(本日付日経)。そごうが民事再生法適用となり、ダイエーも話題になるのは再生機構と球団合併ばかりの今、小売業で元気があるのはイオンとヨーカ堂くらいか。しかし決算内容を見ると「主力の総合スーパーは苦戦したが、(中略)クレジットカードや不動産開発など子会社の収益拡大で本業の不振を吸収した」(日経)ということで、小売業の構造的不振に歯止めがかかったわけではないようだ。

現代ビジネスでは各方面への事業展開は当たり前、それに目を向けない方がおかしい。しかし、こうした新規事業が本業の利益を補うまでになると、社内での力関係も微妙に変わってくるだろうし、社員の意識も変わるだろう。そごうが民事再生法申請に至った際にも「急激な店舗展開で、そごうはまるで不動産管理会社のようだった。売り場をテナントに切り売りするばかりで、小売業としてのノウハウがなくなった」との指摘があった。その一方でアメリカのGE(ゼネラル・エレクトリック)の多角化成功の例もある。私が子供の頃にはGEといえば憧れの家電の代名詞だったようだが、いまあの会社を単なる電気メーカーととらえる人はいない。

要するに問題は企業マインドなのかもしれない。「多角化」を明確に意識して社の風土を変えてゆくのか、それとも「副業にうつつをぬかす」のか。過去の成功体験にしがみついていると、この意識変革に遅れが出る。これは企業だけではなく、国や個人でも同じことだろう。
# by haloon | 2004-10-06 12:11 | 本日のお題

不気味な足音

最近派手な記事になってはいないが、この冬は東南アジアの鳥インフルエンザが不気味で、要警戒かもしれない。タイでは7月から3人目の死者が出たし、なによりもヒトからヒトへ感染した疑い例が出ているのが恐ろしい。

専門ではないのであっさりと書くしかないが、従来のインフルエンザもトリやブタの体内で突然変異をすることによってヒトに感染するタイプになることが分かっており、万が一鳥インフルエンザがまったく新しいタイプに変異をすると、免疫がないだけに猛烈な被害が出る可能性がある、という。特に体力がない子ども・お年寄り・病人は要注意だ。

2年前に大騒ぎになって中華圏の経済にも打撃を与えた新型肺炎SARSの例が示すように、大量の人間や商品(この場合は家畜肉)が国境を越えて行き来する現代では、ウィルスの感染ルートも多岐に渡るし、水際の対策を強化するとしても限界がある。SARSだって冬になればいつまた再発しないとも限らない。敵は目に見えないだけに不気味だ。マスコミは派手な報道合戦をする必要はないが、正確な知識を広めることが必要だと思う。自戒をこめて。
# by haloon | 2004-10-05 14:20 | 本日のお題

「羊」と「治安」は無関係だった

仕事やプライベートで様々な国へ行く機会があったが、「ああ、また来たいな。いや、いっそのこと住んでみたいな」と思わせる国は少ない。ニュージーランドはそうした国のひとつで、特に南島は森と湖が広がる中に数え切れないほどの羊がのんびりと放牧されていて、「風光明媚」という言葉はここのためにあるような気がしたものだ。その南島の中心都市クライストチャーチで先月末日本人留学生の変死体が見つかり、所持品を盗んだ疑いで10代の少年2人が逮捕された。遺体には外傷があったというから、強盗目的で殺された可能性が高いだろう。4月から10月までの語学留学だったということで、家族の悲嘆ははかりしれない。

「あの南島でまさかそんな事件が?」と思ってしまうのだが、もちろんそれはニュージーランドの風光明媚さを拡大解釈、「こんなにきれいなところなら治安だっていいだろう」と勝手に思い込んでいるだけで、世界中どこにだって犯罪者はいるし、犯罪被害にあう可能性はある。

たとえばこれがシカゴのダウンタウンだったりブラジル・リオデジャネイロでの事件だとすれば、こうした都市の犯罪遭遇率データを参照することもせずに、「やっぱり治安が悪いんだな」とつい納得させられてしまう。治安に関する都市のイメージというものは確かにあるし、それは映画やニュースといったメディアから受ける印象でほとんど決まってしまうものだが、当の町にしてみるとたまったものではない。だから観光が主要な産業になっている国(都市)での邦人被害犯罪の取材は難航するのが常だ。

「ある国に3日いるとその国が分かったような気がする。3週間いると分からなくなる。3年いると分かったような気になっていたことが恥ずかしくなる」という。観光や短い出張でフレンドリーなホテルの受付嬢と言葉を交わし、羊を大量に見る、それだけでその国のすべてを判断してはいけない。
# by haloon | 2004-10-03 08:46 | 本日のお題